今回は、ハンダ付け無しで電子工作や、実験ができる「ブレッドボード」の使い方を書きたいと思います
電子工作で「一番苦労」するのがのが「はんだ付け」ですよね
せっかく、回路の勉強をして、部品も揃えて、いざ「作るぞ!」っとはじめてみたものの・・・ハンダ付け・・・うまくできない(泣;)
自分も始めたばかりの時、ICのピンがうまくはんだ付けできずに、ホント苦労しました。やっとこさ付けても、今度は部品間違えで、外そうと頑張っていると、パターンの銅箔が熱で剥げてしまって・・・THE END・・・嫌な思い出です
電子工作「初心者」の方はもとより、私と同じような体験をお持ちの方、ハンダ付けがトラウマな方、結構いらっしゃるのでは?
ハンダ付け無しで回路が組める「ブレッドボード」とは?

部品のリードを差し込むだけで、回路を組み立てることのできるボード基板です
それぞれの穴(ホール)内に金属板(バネ状)が入っていて、そこに部品のリードを差し込むと、金属板が挟み込み、固定される仕組みです
中の金属板は、横一列に電気的につながっています、また、他の場所も同じ構造になっています
部品や電線(ジャンパワイヤ)を差し込んで回路を作っることにより、ハンダ付けをしなくても電子工作や実験ができるというわけです
ブレッドボードで回路を組もう【使い方】
ブレッドボードの内部接続を知ろう
まずは、ブレッドボードの中で「どのようにつながっているか」を知っておかないと、回路が組めません

穴のつながりが、わかるように水色のマーカーを引きました
よく見ると、中央のパーツとサイドのパーツは別であることがわかります
- 中央パーツの穴は、横一列につながっています(主に部品配置用)
- サイドパーツの穴は、縦一列につながっています(主に電源用)
中央のパーツ(溝がある)は、大体どのメーカーでも同じデザインです
サイド(電源用)のパーツは、色線がなかったり、一本のみだったり、このパーツ自体がなかったりとメーカーによって様々です
部品を取り付けて回路を組み立てよう
それでは、ブレッドボードに部品を取り付け、回路を組み立ててみましょう

一番簡単なLEDと抵抗の回路です(電源5V 抵抗470Ω 青色LED)
ハンダ付けをしないので、部品は再利用できます
また、LEDの交換(青⇛赤など)、回路修正なども簡単に行うことができます

あると便利なもの
ジャンパーワイヤーセット

ブレッドボードの配線に使う「ジャンパワイヤー」が長さ違いでセットになっています
自分で作ったり、スズメッキ線などで代用することも、もちろんできますが、わりと面倒くさい作業です
(自分で作ると、しまうにしてもねぇ・・・これなら、ケースも付いています)
そんなに高価なものでもないですし、手っ取り早く実験できるので、筆者は使っています
※ブレッドボードによっては、ジャンパワイヤー付きで販売されているものもあります
ニッパー・ラジオペンチ

電子工作の三種の神器です。とりあえず安いものでいいので「ニッパー」と「ラジペン」は揃えましょう
部品リードの切断や曲げ以外にも、ブレッドボードに抜き差しする時に役立ちます
(小さな部品やジャンパワイヤーは、手で扱うのが意外と手強い時があります)
その他
ブレッドボードで作る「電子工作キット」
ブレッドボードで作成する「電子工作キット」も販売されています
ハンダ付けなしで、楽しめる「電子工作キット」で、最初の電子工作にお勧めです
必要なパーツはすべて含まれており、回路図が読めない方でも、イラストや写真が入った「組み立ての説明書」もついています
もちろん完成後も、部品やブレッドボードは再利用できます
(簡単なものであっても、「最初の成功」は本当に大切ですね)
パーツセット(スターターキット)
初心者向けや、ArduinoやRaspberry-Piといったマイコン入門向けに、電子パーツをセットにした商品も販売されています(ブレッドボードが付属しているセットもあります)
ブレッドボードで使える電源や、ブレッドボードに差せる加工済みスイッチ、ボリュームなどがセットになっています
一つ一つショップに注文するのが大変といった方、検討してみてはいかがでしょうか

ブレッドボードの利点と欠点
初心者やハンダ付けが苦手な方には、とても便利なブレッドボードですが、残念ながら万能ではありません
ブレッドボードの一般的な「利点と欠点」をまとめてみました
ブレッドボードの利点
ハンダ付け不要で電子回路が組める
「電子部品」と「ジャンパワイヤ」を差し込んで行くだけで、簡単に回路が組めます
DIP型ICが、そのまま使える
ブレッドボードのピッチ(穴の間隔)は、DIP型ICのピン幅(2.54mm)に合わせられています。初心者泣かせのICをハンダ付けなしで、簡単に回路が組めます
部品の交換や再利用が容易
ハンダ付けしないので、部品の交換や再利用もOKです
部品を変え最適な値を探す「カットアンドトライ」や回路学習にも向いています
ブレッドボード自体の再利用も容易
もちろん、ブレッドボード自体も、全部部品を外し、全く新しい回路作成に使用できます
熱で部品が劣化、故障しない
熱に弱い「ゲルマニウムダイオード」や「スチコン」といった部品も問題ありません
ブレッドボードの欠点
リードの太い部品やチップ部品は、直接差せない
ブレッドボードに差し込めるリードの太さには限界があります。
(手元にあるサンハヤト製品では0.3mm~0.8mmとなっています)
太すぎるもの、細すぎるもの、形状が違いすぎる部品をブレッドボード使う場合には、何らかの工夫(ピンヘッダーやリードを取付ける)をするか、変換基板などを利用します
この場合、ハンダ付けが必要です

部品が抜けたり、バネ部分の寿命がある
バネと摩擦でつながっているので、振動や引っ掛けで「抜ける」といった「不慮の事故」が起こることがあります
抜き差しできる耐久回数や、経年劣化による寿命があります
部品の自由度を求めると、ハンダ付けが必要
入出力のジャック類やボリューム、スイッチなど「好み」の部品を使いたい場合、ブレッドボードに差せるように、配線を工夫する必要があります
(多くの場合、ハンダ付けが必要になります)
高電圧、大電流の回路は組めない
高電圧のかかる電源や真空管回路、大電流を扱う電力増幅回路などは無理です
手元にある製品の仕様として
使用電圧:AC50V、DC75V以下、使用電流:3A以下となっています
(但し、耐圧試験はDC1500V、絶縁試験はDC500V時1000MΩと、高圧で実施されています)
リードの引き回しが伸びる(高周波回路には向かない)
ブレッドボードの仕様上、配線の引き回しが長くなりがちです
高周波回路では、配線のインダクタンス(交流の抵抗成分、周波数に左右される)も問題になるため、向きません
AMラジオを組んだりは、問題ないようです
クリスタルオシレータ(12MHz)をブレッドボード上のDACで使用しましたが、配線を短くできれば、特に問題ありませんでした)
まとめ
- ブレッドボードは、ハンダ付け無しで回路が組めます
- ピッチがDIP型ICと同じ2.54mmになっています
- 部品の交換や再利用が簡単にできます
- ブレッドボードに直接差し込めない部品は、何らかの工夫が必要です
- ブレッドボードの電子工作キットも販売されています
初心者の方やハンダ付けが苦手な方、ぜひブレッドボードを使って、電子工作にチャレンジしてみてください